夜も深くなってきた頃、ほの暗いカウンターの隅でロックグラスを傾け…カラン…
な~んていう場面を思わせるロマンチックなイメージのある"オン・ザ・ロックスタイル"
BARの個性を演出するものの一つに、ロックスタイル(氷のスタイル)があります。
一言に氷…ロックといってもお店により様々なスタイルがあります。
アイスピックや包丁で削り出したかたちを残したクラシックな丸氷や、更にそれを水で洗い完全に角を取り除いた球体の丸氷、球体に加工せず、岩のようなの氷、ダイヤモンドカット、などなど…
当店では氷屋さんから仕入れた純度の高い氷で削り出したままのクラシックな丸氷を作っています。
丸氷は、角のある氷と比較すると液体に接する表面積が小さいので、水に溶けにくいという長所があります。
ウイスキーやブランデーなど、スピリッツは加水により味が変化していきますので、その繊細な変化をじっくりとお愉しみいただけるのが特長です。
若手のバーテンダーの多くのは丸氷を作ることを最初の仕事とします。
それは、お店のこだわりを理解するとともに、お酒と飲み手の架け橋になるという、バーテンダーとしてのホスピタリティを学ぶきっかけになります。
…とはいえ、最初は慣れないアイスピックを手に刺したり、パイナップルのような形の丸氷を作ってしまったりしながらです(笑)
そういったバーテンダーによる手仕事が、安心感や落ち着きを与え、人の手によって作られたものの心地よさを感じさせるものではないでしょうか。